〈この漫画は実話を基にしたフィクションです。ただし犯罪の手口はすべて実在しますので、ぜひ防犯に役立てて下さい〉

こんなフレコミで始まる『ギャングース』という漫画をご存知でしょうか。
2013年から2017年の1月まで週刊モーニングで連載されていた詐欺師などの裏稼業人を相手に金を奪う「タタキ屋」の少年達が主人公の漫画です。

長年にわたり裏社会や貧困にあえぐ少年少女らへの取材活動を続けてきたノンフィクションライターの鈴木大介氏がストーリーの共同制作者となっているため、ストーリー内に出てくる話はすべて実際の犯罪手口や実話に基づいているそうです。

同作の中で、犯罪者集団が非常に重要視しているものとして「名簿」の話がたびたび登場します。
詐欺にひっかかりやすい高所得者を調査する専門の名簿作成業者の存在について触れられていたり、何度も詐欺にひっかかるカモばかりを集めた名簿のことを「おかわり名簿」というらしいですね。

まったく別の話に変わりますが、毎日ブログを更新することでブロガー議員として有名になり、最近ではテレビ番組にも度々出演している東京都議会議員のおときた駿氏のブログにも、政治家にとって「名簿」がどれほど重要かについて説明している記事が10日前くらいにありました。

東京都議会議員 おときた駿 公式サイト
「名簿」が政治家の命!北区のお知り合いの住所をご紹介ください

政治家を詐欺師や振り込め詐欺などの犯罪者と同列の話で扱うのはいかがなものかと思いますが、ただの日常の中で見かけた例ですのでご容赦ください。

さて、犯罪者から政治家までが重要視する「名簿」ですが、ビジネスの世界でも「営業リスト」や「アタックリスト」と呼ばれる自社のサービスや商品を購入してくれる可能性のある人の名簿(=リスト)が最も重要視されています。

自社のサービスや商品を購入してくれる可能性のある人のことを、「見込みのある客」という意味でビジネス用語では「見込み客」といいます。英語では「リード(Lead)」といい、見込み客リストを獲得する活動のことを「リード・ジェネレーション(Lead Generation)」と呼びます。日本語では「見込み客獲得活動」といいますが英語の方を使用するのがマーケターの間では一般的です。略して「リージェネ」や「リードジェン」と言ったりもします。

 お客さんが購入してくれる可能性というのはこの見込み客の「質×量×転換率」によって決まります。

「転換率」というのはすでに持っているリストの見込み客を購入してくれる「顧客」になるまで育てる割合のことをいいますが、はっきり言って大変な作業です。
アピールしたりメリットを訴えたりして買いたいと思うように転換していくわけですが、人の心を動かすにはそれなりに大きなエネルギー(費用や時間)を必要とするからです。

それよりもはじめから買ってくれそうな人をみつける方が、人の心を動かすよりもはるかに効率的です。
そのため購入してくれる可能性のある質の高い見込み客をより多く掲載している、「質と量」を担保したリストというものが、詐欺集団から政治家まであまねく、またビジネスを行う人にとっては喉から手が出るほど欲しいものなのです。

例えば、他社の美容品グッズに毎月1万円以上消費しているような人は美容に関心が高く、そのための出費を生活費の一部として計上している人ですので美容品を扱っている会社にとっては自社に乗り換えてくれる可能性の高い優良見込み客です。
同様に、自己啓発のためにセミナーに参加している人は向上心が高く自分への投資を惜しまない人が多いので、そのような顧客を求めている人にとっては質の高い見込み客となります。

このように自分たちにとっての優良見込み客のリストをどれだけ持つことができるかということがビジネスの安定性にとっては非常に重要です。
とはいえ、優良見込み客ばかりを新規に見つけてくることもなかなか難しいので、いま持っている見込み客を優良見込客へと育てるということも必要になります。

マーケティングにおける重要な決断のひとつは「優良見込み客の発見」と「優良見込み客への転換」への投資をいかにバランスよく行うかです。

そのためには「STP」などのマーケティングのフレームワーク(思考法)が重要になってきます。
今後それらの理論についても解説していきますのでぜひお楽しみに!