コ・クリエーション(共創)とは?

近年、製品開発やマーケティングの世界で急速に関心をもたれるようになった新たな考え方が「コ・クリエーション(co-creation)」です。

日本語では「共創」といいますが、読んで字のごとく「共」に「創る」という意味です。

従来的なモデルは企業が作ったものを消費者に提供するという企業中心の一方的な考え方でしたが、コ・クリエーションは企業と消費者が一緒になって新しいものを作ったり、改善したりするプロセスのことを指します。

2007~09年に「世界で最も影響力のあるビジネス思想家」第1位に選ばれた、米ミシガン大学ビジネススクール教授のC.K.プラハラード博士がベンカト・ラマスワミ博士と共同執筆した『価値共創の未来へ―顧客と企業のCo‐Creation』という書籍では、価値を顧客と共に創造していく「価値共創」というワードが使われています。価値を顧客と共に創造していくって具体的にはどういうことでしょうか?

身近な例でいうと、FacebookやTwitterやInstagramなどのSNSを思い浮かべてください。
FacebookもTwitterもプラットフォームと呼ばれるただの空っぽの箱なので、それ自体に価値はありませんね。ユーザーが登録をしたり投稿をして初めて価値が生まれます。ユーザーがどんどん投稿をしたり記事をシェアをしたり、情報を蓄積することで、一緒になってFacebookやTwitterの価値も高まっていくのです。
まさに「価値を顧客と共に創造」していってますね。

Wikipediaも同様にユーザー自身が辞書を編集してWikipediaの価値を高めていますね。
このような消費者生成型のメディアのことを専門用語ではConsumer Generated Mediaの略でCGM」と呼びます。(専門知識なのであえて覚える必要はありません)

さて、今回はコ・クリエーションの考え方をつかった実際の成功事例として、2016年秋にドイツで実施されたFacebook Liveを活用した最新のプロモーションを紹介します。

Facebook Liveを使ったプロモーション

みなさんは『ウォーキングデッド』というアメリカのドラマをご存じでしょうか?


「ウォーカー」と呼ばれるゾンビがはびこる世界で生き残りの闘いを続ける主人公らの人間模様を描いたTVシリーズで、シーズン7初回の視聴者数は1,700万人を突破するなど世界中で大人気のドラマです。
2017年6月現在ではシーズン7が終了し、秋にはシーズン8の公開が予定されています。

かくいう私もウォーキングデッドの大ファンで、Huluを契約しているのも理由の半分は『ウォーキングデッド』を観たいからと思っているくらいです。

さて、いよいよ本題ですが、2016年秋にドイツのテレビ局・RTL IIが、『ウォーキングデッド-シーズン6』の放送開始にむけてFacebook Liveを活用したユニークなプロモーションを実施しました。

Facebook Liveというのは視聴者からのコメントやリアクションを確認するなど、視聴者とインタラクティブに交流を持つことができるFacebookが提供するライブ動画配信サービスです。日本のサービスでいう「ニコ生」みたいなものですね。

このFacebook Liveを利用して配信したのが『Apocalypse Live』と題したライブ動画です。

音声は英語なのですが、まずはプロモーション全体をまとめた動画がありますのでこちらをご覧ください。

さて、実際にはどのようなプロモーションだったのか、以下は参考にしたAdGangというサイトからの引用です。

これは二人のオランダ人ブロガーが、ゾンビの生息する地に迷い込んだという設定で、二人がさまよい歩いたり、ゾンビに遭遇する様子をリアルタイムで配信するという企画です。
Apocalypse-Live01 画像参照:AdGang
視聴者は「いいね!」をはじめとする6つのリアクションボタンを押すことで、映像の中の二人が、次にどのような行動をとるべきかを投票でき、ゲーム感覚で参加することが可能。
Apocalypse-Live04Apocalypse-Live03画像参照:AdGang
配信中は、50人のスタッフがユーザーからFacebookに寄せられたコメントやリアクションをもとに、ストーリーの次の展開を組み立てつつ撮影を実行。あまりの出来栄えに、一部の利用者からは「事前に撮影された映像なのではないか?」という疑問があがったようですが、もちろんそのようなことはなく、正真正銘のライブ映像だったとのことです。

さて、このユーザー参加型のライブ動画の反響はどうだったかというと、、、

事前の期待値をすべて上回り、200万以上のライブビューイング(視聴者数)を記録、各種SNSをはじめとるする様々なメディアで拡散されたことによりトータルのリーチ数(その投稿やコンテンツを見た人の数)はなんと100,000,000(1億)以上という驚がく的な成功を収めたのでした。

すべてにおいてインタラクティブが求められる時代に

現在はマーケティングに限らず、より多くのものがインタラクティブ(双方向)であることが求められています。

教育を専門にしている友人の話では、日本の教育も従来の教師の講義を一方的に聴くというスタイルから、課題研究、ディスカッション、プレゼンテーションなど、学生の能動的な学習を取り込んだ「アクティブ・ラーニング」という手法に変わりつつあるようです。
教員の役割は生徒の学びについて指摘をしたりアドバイスをしたりすることにあり、生徒と教員とがよりインタラクティブに交流するスタイルへと変化してきています。

マーケティングはよく恋愛に例えられるのですが、考えてみれば恋愛も一人よがりではいけませんね。恋愛は相手がいて、一緒になって育むものなのですから。

現代はインタラクティブが重視される時代です。
コ・クリエーション(共創)というアイデアを持っていると様々なことに応用できるに違いありません。

参考サイト:AdGang