8月にも入り、いよいよ夏本番の季節になりました。
夏の風物詩と言えば海や花火やお祭りなどいろいろあると思いますが、夏の暑さをひんやりと怖さで吹き飛ばすお化け屋敷やゾンビなどのイベントも夏の風物詩の一つと言えます。

先日には赤坂サカスで開催されているMR(Mixed Reality:複合現実)技術という最新のテクノロジーを活用した最新お化け屋敷の体験記をアップしました。
話題のMR(Mixed Reality:複合現実)技術を使った最新お化け屋敷を体験!

他にもゾンビやお化け屋敷などのイベントが各地で開催されていますね。
今回は夏の風物詩、お化け屋敷やゾンビなどのホラーイベントについてマーケティングの視点を入れつつ徒然と考えてみたいと思います。

最注目のホラープランナー「オバケン」

東京都杉並区の方南町という、言い方は悪いが東京の中でも地味な場所に知る人ぞ知るお化け屋敷があるのはご存知でしょうか。

お化け屋敷の名前は「オバケン」。
数々のホラーイベントを開催しているホラープランナー集団オバケンさんが手掛ける歩行体験型のお化け屋敷です。

2012年以来、毎年テーマを変えて常設でお化け屋敷を開催しているのですが、今年はこのような企画を開催中です。(画像をクリックするとサイトへ飛びます)

if_musebiya

他にも、ゾンビが襲撃してくるというまったく爽やかでないサバイバルキャンプ「ゾンビキャンプ」なんていうイベントも開催しています。

obaken_zonbie_camp2017(画像をクリックするとサイトへ飛びます)

このようにユニークな活動を続けているオバケンさんですが、メディアからの注目はもちろんのこと、過去にはあのアメリカの超人気ゾンビドラマ『ウォーキングデッド』とコラボしたイベントを実施したり

スペイン発の大ヒットホラー映画『REC』とコラボしたイベントをしたり

現在は方南町のお化け屋敷の他にも、福岡県のキャナルシティ博多や石川県のイオンモールでもイベントを実施していますね。

さて、そんな中でも私が注目したのは今年の6月に実施された、ハローキティやマイメロディなどのかわいいキャラクターでおなじみのテーマパーク、あのサンリオピューロランドとコラボしたゾンビイベントです。2015年から開催され、今年で3回目を迎えました。チケットはソールド・アウトしてしまう大人気イベントです。

obaken_sanrio_event

普通に考えたら「サンリオピューロランドなんて小さな子供たちの夢の国でなぜゾンビイベント!?」と思うかもしれません。

日中はかわいいキャラクターたちが溢れるキラキラした施設ですので、そういう場所の方が夜は恐ろしさも際立つというギャップが楽しめるのでしょうね。あり得ない場所だからこそ発想としては面白いと思います。

さて、ただ直感的に「面白そう」と思うだけではマーケティング思考としては不十分ですので、マーケティング的にもう少し考察してみましょう。

エンタメ施設にとって魅力的なホラーコンテンツ

意外な場所でホラーイベントが実施されるのは実はサンリオピューロランドだけではありません。
昨年2016年10月には池袋のサンシャイン水族館で「ホラー水族館」という水族館とお化け屋敷プロデューサー五味弘文氏がコラボレーションしたイベントが開催されました。

Sunshine_horror_event1

実は面白そうなイベントだと思って、土曜日の朝早くに整理券をもらいに行ったのですが、整理券配布時間と同時にすでに定員に達していたため整理券をもらうことができず、体験できないままイベントも終わってしまったという思い出があります。
とにかく凄い人気でした。

昨年大好評だったため、今年も同時期に「あやかしの人魚」という第二弾のイベントを実施するみたいですね。

Sunshine_horror_event2(画像をクリックするとサイトへ飛びます)

10月に開催されるエンターテインメント施設でのホラーイベントと言えば、なんといってもユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「ハロウィーン・ホラー・ナイト」が有名ですね。
今ではすっかり有名になりましたが、パーク中に大量のゾンビを解き放つというアイデアによって初年度から実施前の目標値を大幅に超えるとてつもない集客を達成したようです。

Holloween_horror_night_2017ユニバーサル・サプライズ・ハロウィーン “こんなハロウィーン、世界でここだけ!”
画像をクリックするとサイトに飛びます)

ハロウィーン・ホラー・ナイトの仕掛け人で当時㈱ユー・エス・ジェーのCMO(最高マーケティング責任者)であった森岡氏は著書『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』の中でハロウィーン・ホラー・ナイトを思いつくに至った経緯を語っていますが、実施を決意した理由の1つにゾンビには設備投資費がかからないことを挙げています。森岡氏は「人(ゾンビ)こそ最強のアトラクション」だと語っています。

サンリオピューロランドのイベントにしても、サンシャイン水族館のイベントにしても、既存の施設を活用して演出を施すだけですので企業側にとっては大きな設備投資が必要ないという利点があります。

そして、企業側の利点として考えられるもう一つの大きな理由はターゲットです。

サンリオピューロランドやサンシャイン水族館、USJなどエンターテインメント施設のコア・ターゲットは子供連れのファミリー層です。
そうなれば当然日中がメインの時間帯となり夜はアイドルタイム(客数の少ない時間帯)となります。
対してホラーイベントのコア・ターゲットはカップルや若い女性を中心とした若者層。普段取り込むことがなかなかできない客層です。

つまり、ホラー系のコンテンツはアイドルタイムである夜の時間帯にコア・ターゲット以外のカップルや若者層を呼びこむことができるため、エンターテインメント施設にとって非常に相性の良いコンテンツなのです。

さらに設備投資が必要なく費用も安く済むため、面白いコンテンツを作ることができるかどうかはまさにアイデア次第!仕掛けている方も楽しいでしょうね。

 普段ホラーとはかけ離れている場所ほど、非日常を味わうには面白いもの。
前述のオバケンさんも遊園地にあるたくさんのコンテンツの中から「お化け屋敷」という1つを抜き出して方南町というお化け屋敷とは無縁な地域やキャンプなど、想像の斜め上の場所にはめ込んだことが成功の秘訣であると分析します。

古くからあるものでも、アイデア次第でまったく新しい価値を提供することができるのです。