「禁止されるほどやってみたくなる」このような心理的な現象をカリギュラ効果といいます。

1979年に制作されたアメリカ・イタリアの合作映画『カリギュラ』が語源で、カリギュラとは映画の主人公であるローマ皇帝の愛称です。制作費に46億円も投じられた大作映画なのですが、その過激な描写ゆえ多くの物議を醸す映画となりました。

入浴と飲酒とセックスに溺れ、家来を容赦なく惨殺する狂気の暴君として悪名を轟かせた第3代ローマ皇帝の生涯を描いたこの映画は、過激な残虐シーンや性的なシーンがあまりにも多いという理由で、公開当時アメリカのボストンなどの一部地域では上映禁止令が出されました。

お伝えするからにはきちんと調べるようにしているため、ネットで検索して実際に公開された映画を少し見てみたのですが、これはリンクを貼るのは無理ですね(笑)
少しお色気の映画どころではなく実態は局部モロ出しのハード・コア・ポルノです。

人は「みてはいけない」や「上映禁止」と言われるとかえってどうしても見たくなるという心理が働きます。
このような、好奇心に基づく反発心のことを心理学では「心理的リアクタンスといいます。

ボストンでは上映禁止にされたことによって興味がかえって高まり「心理的リアクタンス」が爆発した多くの市民が「カリギュラが観たい」と市外の映画館に殺到するようになったそうです。
あまりの人気と話題性にボストン市も上映を解禁せざるを得なくなり、ボストン市のみならずアメリカ全土で『カリギュラ』は空前の大ヒットとなりました。

ロミオとジュリエット効果

恋愛などにおいて障害があった方が逆にその障害を乗り越えて目的を達成しようとする気持ちが高まる心理現象のことを、心理学者ドリスコール(Driscoll)はシェイクスピアの戯曲にちなんで「ロミオとジュリエット効果(英: Romeo and Juliet effect)」と名付けました。
対立する両家の禁じられた恋愛を描いた悲劇の物語はあまりに有名です。

「障害があると恋はかえって燃え上がる」といったりしますね。
いまだに世の中には校則で恋愛禁止の学校があってびっくりします。年頃の学生にとっては禁止されるとむしろ悪いことをしているというドキドキも手伝って余計に燃え上がるので、かえって逆効果ではないかと思うのですが、これも心理的リアクタンスによるカリギュラ効果と同じ現象であると考えられます。

最近の話ではAKB選抜総選挙の投票発表イベントで、あるメンバーが突然結婚宣言をしたことが大きなニュースになりましたね。恋愛禁止のアイドルだからこそ、カリギュラ効果やロミオとジュリエット効果といった心の反発からくる衝動が、若くして結婚を決意するという心理に影響したのではないでしょうか。

カリギュラ効果を利用したマーケティング事例

「やるなよ」と言われるとかえってやりたくなる、カリギュラ効果を知ってか知らずか、この心理的効果を突いたお笑いの展開をお茶の間の誰でも知っているレベルにまで浸透させたのがダチョウ倶楽部です。

熱湯風呂で「絶対に押すなよ」というお決まりの展開はよくご存じだと思います。

株式会社ミクシィが運営する利用者数が4000万人を突破した大ヒットゲームアプリ「モンスターストライク(通称モンスト)」は昨年2016年に「モンストやるなよ」というキャンペーンを展開し、CMにはダチョウ倶楽部の上島竜平さんを起用しました。

monster_strike画像参照:PR TIMES

ゲームを利用してほしいメーカー側が「モンストやるなよ」と矛盾したキャッチフレーズを展開したのも、やるなよと言わることでユーザーのかえってやりたい気持ちを高めるという心理的効果と話題性を狙ったのでしょう。カリギュラ効果を利用したマーケティングの事例です。

過去にはキリンの氷結も同様のCMを公開していますね。

他にも「見たい」「知りたい」という心理的リアクタンスを利用したビジネス戦略は至るところで実践されています。

例えば大ヒットしたスターウォーズのエピソード7は撮影中の映像などが外に流出しないように徹底した戒厳令が敷かれ、公開までファンの好奇心が高まるように情報を極力制限したそうです。
この記事を書いている現在は8月半ばですが、この時期になると例年9月に発表される新型iPhoneの憶測情報などもネットで出回ってますね。アップルは新商品の情報に徹底した管理をしていることで有名です。

禁止されるほどやってみたくなるカリギュラ効果は覚えておくといろいろと応用が効きそうですね。
敢えて障害を作ることでビジネスや恋愛をうまく展開していくことができるようになるかもしれません。

当ブログではこのようなビジネスや日常生活でも役に立つマーケティング知識をいろいろとご紹介しています。読めば読むほど日常生活が豊かになるノウハウ満載なのですが、ひとつ言っておきます

絶対に読むなよ!(笑)