10月22日、衆議院議員総選挙の投票が行われました。
結果は自民党が圧勝しましたが、小池百合子を党首とする「希望の党」の立ち上げや民主党の分裂、立憲民主党の結党など、今回の選挙でもさまざまなニュースがありましたね。

今回は衆院選にちなんで、選挙とマーケティングについて、歴史を振り返りながら考えてみたいと思います。ほぼ雑談です。

ヒトラーを支えた宣伝の天才

歴史を振り返る中で、かつてナチスのアドルフ・ヒトラーは自由選挙を経て合法的にドイツ首相に選出され、その後独裁へと突き進んでいったという話は有名ですね。悪名高きヒトラーも初めは国民によって選ばれたのです。

ヒトラーがスピーチの天才であったことはよく知られています。
身振り手振りを交えて激しく感情を表に出しながらナショナリズムを強く訴えかけるヒトラーの演説は、第一次世界大戦の敗戦で負った多額の賠償金や世界恐慌による社会不安で苦しめられていた大衆のこころを強くつかみました。

当時のドイツ国民からカリスマ的な人気を誇ったヒトラーですが、その陰には「プロパガンダの天才」と呼ばれたヨーゼフ・ゲッベルスの存在があったことを無視するわけにはいきません。
ゲッベルスはナチス=ドイツの宣伝省大臣として、マスコミや映画、様々な行事を通じてヒトラー神格化とナチズムの浸透に大きな力を発揮した人物です。

Joseph_Goebbelsナチス=ドイツの宣伝相であったゲッベルス
(画像参照:ウィキペディア

ヒトラーの演説はゲッベルスによって演出されたと言われています。
敢えて夜に演説を行い、ライトニングによって神々しさを演出するなど、会場の雰囲気から音楽まで宗教まがいとも言える徹底した演出が施されました。
「金髪、青い瞳、高身長」であることがアーリア人の理想とされていたナチス=ドイツにおいて、ドイツ人としては背が低かったヒトラーの背を高くみせるための視覚的配慮まで行われていたというほどの徹底ぶりだったようです。

「小さな嘘より大きな嘘に大衆は騙される」 「嘘も100回言えば本当になる」などの言葉も有名で、マスメディアやジャーナリストを志している人であれば大学の講義などでゲッベルスのことを一度は学ぶのではないでしょうか。

また、ナチスのブランディングという点ではゲッベルスと合わせて、ニュルンベルクのナチス党大会会場などを設計した建築家、アルベルト・シュペーアの果たした役割も大きいと言われています。

興味がある方は以下の本が面白いですし、詳しく書いてありますのでおすすめです。
読書の秋の一冊にいかがでしょうか。

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現在、選挙を戦う政治家には選挙プランナーと呼ばれるコンサルタントがついていたりしますね。
政治家のブランディングからPR戦略まで、まさに政治家のためのマーケティングを行うための職業ですが、SNSやブログなどインターネットでの選挙活動が盛んになってきている昨今、今後デジタル・マーケティングに長けた人材の需要も一段と高まってくることでしょう。

世界の歴史を変えたテレビ討論

選挙期間において重要な役割を果たしてくるのがテレビでの党首討論です。

TV discussion

日本の場合、政党数が多いため各党の持ち時間が1分程度と時間も短く、どうしてもキャッチーな内容だけになってしまってあまり議論が深まらないのが残念ですが、各党の代表が活字ではなく自らの声で政策を伝えるという意味でまだまだテレビ・メディアの果たす役割は大きいと考えます。

今では選挙のたびに放送される党首同士のテレビ討論ですが、史上初めてテレビ討論が放送されたのは1960年のジョン・F・ケネディとニクソンによる討論会です。

テレビ討論会開催前には、民主党の上院議員であったケネディよりも、現職の副大統領であったニクソンの方が知名度が高く、支持率調査ではケネディを上回っていました。

推計7,000万人(当時のアメリカの人口の3人に1人)が視聴したと言われているテレビ討論の結果、最終的にはケネディが選挙に勝利し、第35代アメリカ合衆国大統領に選出されました。

この史上初のテレビ討論のとき、ハンサムで精悍であったケネディに対して、病み上がりで顔色の悪かったニクソンはテレビ写りも悪く、ケネディの若さにアメリカの未来を夢見た多くのアメリカ国民がケネディ支持へと移ったと言われています。

また、ケネディが黒いスーツを着用していたのに対して、ニクソンが着用していたのは白黒テレビでは背景と同化してぼやけてしまうグレーのスーツであったことや、テレビ写りを意識してメイクをバッチリきめていたケネディに対して、ニクソンは男らしくないとメイクアップを拒んでいたことなどが、両者の印象の命運を分けたと分析されています。

事実、ラジオで討論を聴いていたリスナーアンケートでは「ニクソン勝利」の声の方が多かったといいますから、見た目の印象が大きく有権者の判断に影響していたことがわかりますね。

心理学的にもルックスのいい人の方がいろいろと得をするという研究結果が発表されています。
ある研究によるとルックスが良い人の方がそうでない人よりも平均で10~15%も年収が高かったそうです。
(参照:Cornell University ILS School)

まったくの余談ですが、日本の衛星放送が開始された1963年11月22日、その時の実験放送で飛び込んできたのが、ケネディ大統領暗殺という衝撃的なニュースでした。
日本の衛星放送はあのパレードの最中に暗殺されたケネディ大統領のニュースからスタートしたのです。

さて、1960年当時は最新であったテレビ放送も現在では様々なネットメディアに移り変わってきています。
SNSやブログメディアなど、最新のメディアについていくことができない古い世代の政治家は発信力では劣りますので、デジタルを駆使する若い政治家にやがて淘汰されていくことでしょう。

先日10月15日に投開票された選挙で勝利し、世界最年少31歳で首相になろうとしているオーストラリアのセバスティアン・クルツ氏や、現在まだ45歳のカナダのジャスティン・トルドー首相など、世界には若いリーダーが続々と誕生しています。

二人ともめちゃめちゃイケメンです。むしろ政治家としてはちょっとかっこよすぎませんか?
やはりルックスのいい人が選挙でも強いのは真理なのでしょうね。男ですが、間違いなく悪そうな顔した爺さん議員よりもこっちに投票します。

Sebastian Kurz世界最年少31歳で首相に就任するオーストラリアのセバスティアン・クルツ氏
(画像参照:TUFSmedia

Justin_Trudeauカナダのジャスティン・トルドー首相
(画像参照:NewSphare

爺さんたちの政治を押し退けて、日本にも早く若いリーダーが誕生するといいですね。