マーケティング思考は勘や運に頼らず、論理や戦略をもって目的を達成する確率を高めていく思考法です。

到達したいゴールが遠くに存在するとして、漠然と無計画に突き進んでいくのと、計画的に目標を定め戦略的に進んでいくのでは、後者の方がずっと効率的ですよね。

長距離マラソンの選手も必ず時計を身につけてタイムを確認しながら走っていると思います。
怪我を防ぎ好成績でゴールするためには、無理をせずにどこをどのくらいのタイムで通過すればよいか目標をしっかりと定めて計画をたてることが非常に重要なのです。

画像参照:アウト;エリート

マーケターに限らず、誰にとっても目的を達成するための指標である目標は非常に重要なものです。
今回は、マーケターが目標設定のときに利用するKGIKPIというまさにマーケティングの基礎ともいえる重要な用語とその考え方についてご説明します。

KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)

KGI(Key Goal Indicator)はその名前が示す通り、たどり着きたい目的を果たすために達成しなければならない目標(ゴール)のことを指します。

例えば「痩せること」を目的にダイエットを始めたとして、みなさん目標を立てますよね。
「2ヶ月で3kg」など、これを実現できれば達成したといえる指標(多くのケースでは数値)がKGIです。
営利企業の場合には通常半期でXXXX万円などの目標売上額や受注XX件などの販売数などがKGIに当たることが多いですね。

ここで重要なことは、KGIはそれが達成できれば本当にたどり着きたかった目的を果たすことができるように目標設定されているかどうかということです。

さきほどのダイエットを例にとると、「今は入らないスカートを履けるようになること」がダイエットの目的だとして、2ヶ月で3kgの減量を達成したのに肝心のスカートが履けなかったとしたら、それは目標の立て方が間違っていると言えます。
反対に「1ヶ月で10kg痩せる」など、あまりに無茶な目標を立てることも、ただの無理を強いるだけですので間違った目標設定と考えられます。「しょせん無理だし」と最初から諦めていてはモチベーションも上がらないですよね。

KGIの設定は決して無理をさせず、しかし緩い目標にしても大したゴールにはたどり着けないので、「一生懸命頑張れば何とかたどり着ける」ギリギリのラインに設定することが重要です。

この微妙なラインをいかにうまく設定することができるかが、従業員のモチベーション向上や戦略を立てるために非常に重要になってきます。ビジネスであればKGIを設定するのは通常組織の上の立場にある人の仕事ですので、KGIの設定はまさに経営もしくはマネジメント手腕が問われる技能のひとつと呼べるでしょう。

KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)

KGIを達成するためにクリアしなくてはならない中間目標のことをKPIといいます。

フルマラソンに例えて考えてみましょう。
42.195kmを4時間30分で走ると目標(KGI)を立てたとします。ただ4時間以上もの時間何も考えずに黙々と走り続けるのは難しいですしペース配分もわかりませんね。
そこで例えば10kmを60分で、20km地点を125分で通過するというようにポイントを決めて目標を立てれば、達成したいKGIに対して良いペースで進んでいるのか、それとも遅れているので巻き返しが必要なのか、自分の立ち位置を知ることができます。

また、2ヶ月で3kgのダイエットを成功させるためには、日々体重を計測してモニタリングすることも必要ですが、痩せるための戦略を立てる必要があると思います。
例えば、一日の摂取カロリーをXXXカロリー以下に抑えるとか、毎日3kmのマラソンを行うとか、日々達成しなければならない目標というものもありますね。毎日は走れないこともありますので、一週間で15km走るというように目標設定するのがいいでしょう。

これまでの例えでは10kmを60分で通過、1週間で15km走るなどがそれぞれKPIです。

kpi大和総研コラムより

上記をビジネスに置き換えてみましょう。営業が企業に訪問して商品を販売するBtoB(ビジネス to ビジネス)企業の場合、目標売上(KGI)を達成するためのKPIには、商談の数や訪問できた企業の数、アポイントの獲得数(率)、架電件数、問い合わせ数などのさまざまなKPIがあります。

kpi
画像参照:ワンマーケティング

KPIはどのような形態のビジネスにも必ず存在します。
例えば美容室やネイルサロンなどの店舗型サービスであれば、店舗の目標売上(KGI)を達成するためのKPIとして予約本数や紹介の数、物販売上、リピート率などが考えられますね。

近年ではテクノロジーの発達によって、消費者のさまざまなデジタル上の行動を補足することができるようになりました。
例えば、ウェブページの閲覧数や、閲覧回数、リピート率、フォームの入力数(専門用語ではコンバージョンといいます)、メールの開封やクリック数(率)などマーケティングにもさまざまなKPIが存在します。

実はプロのマーケターでもKPIを上手に設定することは非常に難しかったりします。
KPIを設定するためのデータがうまく取得できていなかったり、前例もないために目標数値がうまく設定できない、モニタリングすべき指標が多すぎて追いきれない、KPIが事業の改善にどのように役立つのか目的が明確でないなど、その理由はさまざまです。

KGI・KPIを上手に設定し、KPIの結果を改善に役立てていくことができるようになれば、目標を達成することができる確率はこれまでよりもずっと高くなることでしょう。
マーケティングの世界でも最も重要なKGI・KPIの考え方を取り入れ、日常生活をより豊かで実りあるものにしていきましょう。